5分でわかるトレンドワード 「AIチップ」
要約
●AIチップとは●AIチップの利点と特徴は
●代表的なAIチップの例
●まとめ
AIチップとは
AIチップは、機械学習やディープラーニングといった高度なAI処理を高速に実行することに特化した半導体です。
AIチップはAIタスクに適したアーキテクチャや演算ユニットを搭載しており、効率的に学習や推論を行うことができます。
AI技術は過去数十年で急速に進化し、特に機械学習とディープラーニングの台頭によって、複雑なタスクへの適用が広がっています。また学術や産業の用途だけにとどまらず、スマホ等のAIアプリケーションや生成AIのブームなどにより、一般ユーザーやオフィスユーザーもAIを積極的に活用しようという機運が高まっています。これに伴い、通常のプロセッサでは限界が生じ、専用のAI処理を担うプロセッサが求められるようになっています。
AIチップの利点と特徴は
AIチップの最大の利点は、機械学習やディープラーニングなどのAIタスクにおいて高いリアルタイム性と演算性能を発揮することです。
これに対して、クラウドAIという手法もあります。これはクラウド上のサーバーでAIタスクを処理する手法です。スマホやIoTの端末がデータを送信し、AIによる「学習」と「判断」はデータセンター内の高性能サーバーで処理し、結果を再び端末に返すというものですが、サーバー側の膨大なデータ処理とリアルタイム性が問題となってきました。また端末側のデータを送信することからユーザープライバシーの問題もありました。
一方でAIチップはデバイス内に搭載され、ローカルでの処理が可能です。これにより、リアルタイム性やプライバシーの観点からも優れた利点があり、通信コストや遅延を抑えることもできます。
現在存在している代表的なAIチップの例
NVIDIAはGPUを活用した高性能なAI処理で有名です。その中に搭載されているTensor Coresと呼ばれる専用の演算ユニットを搭載したモデルは、ディープラーニングの分野で広く利用されています。
Googleは、Tensor Processing Unit(TPU)と呼ばれるAIチップを開発し、Googleのクラウドプラットフォーム上で提供されています。 またGoogleのスマホであるPixel 7には、自社製のTensor G2と呼ばれるプロセッサが搭載されており、AI機能が強化されています。
Appleは、Neural Engineと呼ばれるAI機能をA12やM2といった自社プロセッサに組み込んでいます。ニューラルネットワークに最適化された回路で構成されており、顔認識や画像解析などの処理を高速かつ効率的に行うことが可能です。
Intelから2023年末に発表されたCore UltraプロセッサはCore iシリーズに続く新しいパソコン用のプロセッサーシリーズです。AI専用プロセッサ「NPU」を搭載しています。AIの今後の可能性を背景に、ローカルのパソコンでAI処理ができる環境を強化する必要があるという市場背景から誕生したものです。
まとめ
このように現在では、NVIDIA、Google、Apple、IntelがこぞってAIチップを開発し、それぞれの製品に組み込んでいます。またこれ以外にも主要な半導体メーカーや、半導体以外のいわゆるテック企業がAIチップに取り組んでいます。AIを活用したアプリケーションやサービスに注目が集まるなか、AI技術はますます普及し、様々な領域での応用が進むことが期待されます。
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