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5分でわかるトレンドワード フェムテック

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要約

●フェムテックとは
●フェムテックが注目されている背景
●フェムテックの具体的なサービス・製品例
●まとめ

フェムテックとは

フェムテックは「女性」を意味するFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。フィンテック(FinTech)、メドテック(MedTech)、HRテック(HRTech)などと同じく、既存の産業とIoT、ビッグデータ、AIなどの先端テクノロジーを融合して誕生した新しい製品やサービスのひとつです。

なかでもフェムテックは、女性特有の健康課題や社会課題をテクノロジーの力で解決しようとする製品やサービスのことを指します。

社会の要請などを背景に、フェムテックの市場規模は急成長しており、2025年には世界で約5.5兆円の市場に達すると予測されています。全人口の半数を対象とした産業であることから、今後さらに多様な製品やサービスが開発され、市場の拡大が期待されています。
※出典:経済産業省「フェムテックの推進に向けた取組状況」(令和3年)より

フェムテックの範囲は、具体的には「生理・月経」「妊活」「妊娠期・産後」「更年期」などの分野がありますが、それにとどまらず労働継続支援や子育て支援など非常に広範囲に及びます。具体的な製品・サービスの例としては、生理周期を管理するスマートフォンアプリ、エコフレンドリーな生理用品、乳がん検診をサポートするAI技術など女性特有の健康問題を支援するものが多数登場しています。フェムテックと似た意味で使われる言葉として「フェムケア」もありますが、こちらは特にテクノロジーを用いないもの、女性特有の健康ニーズに対応した製品やサービスの意味で用いられますが、同じ意味で使われる場合も多いようです。

フェムテックが注目されている背景

女性の活躍が、女性および社会全体から強く求められることが、フェムテックの高まりの背景にあります。
例えば、日本では従来雇用や賃金、家事や育児の負担といったことに男女格差が依然大きく、社会的な問題となっていました。そこで働き方改革のひとつとして「女性活躍推進法」が施行され、女性の進出や活躍が求められています。またSDGsの目標のひとつとして「ジェンダー平等の実現」が掲げられており、日本でもジェンダー平等の意識が高まりを見せています。そして近年の慢性的な人手不足を背景に女性の継続労働や仕事復帰などを支援する動きが強まっています。これらにより、男女格差をなくし、女性が生涯快適に働ける環境作りの一環として、フェムテックは取り入れられています。 さらに、フェムテックは女性のQOL(生活の質)の向上に寄与する可能性があります。例えば、生理管理アプリによる自己管理の支援や、身体の不調を軽減する製品の普及は、女性の健康と生活の質を向上させる効果が期待されています。

日本国内におけるフェムテック推進施策

日本国内でもフェムテックを推進するための取り組みが近年進んできました。

かなり昔になりますが、平成11年に交付された「男女共同参画社会基本法」が基本となっています。 (https://www.gender.go.jp/about_danjo/society/index.html)

内閣府が発表している「女性版骨太の方針(女性活躍・男女共同参画の重点方針)で2021年「フェムテックの推進」が初めて具体的に取り上げられており、以降最新版の2024年ではさまざまな具体的な目標を掲げて推進しています。

出典: 内閣府「女性版骨太の方針2024」より
https://www.cao.go.jp/press/new_wave/20240709.html

これに合わせて各省庁でも、例えば経済産業省では、働く女性に対しフェムテックを活用したサポートサービスを提供する実証事業を実施し、働く女性の就労継続の支援や、導入を目指す企業等への働きかけ、ユーザーの認知度を高める取組を行うことで、一層のフェムテックの利活用の促進を図っていくなど、省庁ごとに取り組みが進んでいます。

またこれを受けて地方自治体でも、女性の健康をサポートするための補助金や啓発プログラムが展開されています。そして企業やNPOもフェムテック分野に積極的に取り組み、問題解決型のビジネスを推進しています。その一例を下記から参照することができます。
https://www.femtech-projects.jp

フェムテックの具体的なサービス・製品例

フェムテックの具体例として、以下のようなサービスや製品があります。

  • ・生理周期管理アプリ:生理周期や排卵日を簡単に管理します。
  • ・エコフレンドリーな生理用品:再利用可能なナプキンや月経カップは、環境負荷を軽減しつつ快適な使用感を提供します。
  • ・妊娠・育児サポートデバイス:ウェアラブルデバイスを使って、妊娠中の健康管理や乳幼児の成長をモニタリングします。
  • ・AIを活用した健康管理ツール:乳がん検診をサポートするAI技術は、早期発見と迅速な治療につながります。

出典:内閣府 男女共同参画局 資料より
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/html/column/clm_03.html

まとめ

フェムテックは女性がより健康で快適なライフステージを送るための解決策として、社会全体で大きな注目を集めており、フェムテックをテーマにしたイベントやセミナーは各地で多数開催されています。フェムテックは女性特有の課題を解決するとうたってはいますが、実際は女性のためだけのものではなく、性別にかかわらず誰もが個性と能力を十分に発揮できる活力ある社会づくりに貢献するものとして、重要度が増していくことになるでしょう。

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