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5分でわかるトレンドワード ガバメントクラウド

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要約

●ガバメントクラウドとは
●行政のDX
●身近な手続きがクラウドに
●2025年度中の期限に向けてさまざまな課題

ガバメントクラウドとは

2025年度中の移行ゴールに向けて、ガバメントクラウドに関連した話題が多くなってきました。
ガバメントクラウドとは、デジタル庁が中心になって整備を進めている政府共通のクラウド基盤です。中央省庁や地方自治体などの行政機関が共同で利用できる「IT基盤」を目指しています。

出典:内閣府 「地方自治体の基幹業務システムの統一・標準化について」より
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/20230419/pdf/shiryou1-1.pdf

行政のDX

ガバメントクラウドの利点としては、インフラに関わるコストの削減、データ連携の容易化、システム業務の効率化、さらにはセキュリティの強化といった利点があるとされています。
「デジタル・ガバメント実行計画」(https://cio.go.jp/digi-gov-actionplan)に基づき、政府は2025年度末までに情報システムをガバメントクラウドに移行することを目指しています。

そして自治体に向けては、「地方公共団体の基幹業務システムを2025年度(令和7年度)までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムに移行できる環境を整備することを目標とする。」と移行時期の目標を示しています。

身近な手続きがクラウドに

「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づいて、ガバメントクラウドに移行する業務は、以下の20業務となっています。


標準化対象の20基幹業務
児童手当、子ども・子育て支援、住民基本台帳、戸籍の附票、印鑑登録、選挙人名簿管理、固定資産税、個人住民税、法人住民税、軽自動車税、戸籍、就学、健康管理、児童扶養手当、生活保護、障害者福祉、介護保険、国民健康保険、後期高齢者医療、国民年金

これらの業務システムを標準化することで、自治体間の情報システムの差異を解消し、行政運営の効率化や住民サービスの向上、システム間の互換性確保、コスト削減などが期待されています。

ガバメントクラウドの対象クラウドサービスとして、2024年10月時点では以下の5つのプロバイダーが選ばれています:
・Amazon Web Services (AWS)
・Google Cloud Platform (GCP)
・Microsoft Azure
・Oracle Cloud Infrastructure (OCI)
・さくらのクラウド
いずれも政府の求める厳しい基準を満たしたサービス提供者です。このうち、2023年にさくらインターネットが提供するさくらのクラウドが、国産クラウドサービスとして初めてガバメントクラウドに加わっています。

2025年度中の期限に向けてさまざまな課題

現在ガバメントクラウドに基づく自治体システムの標準化が 全国約1700の地方自治体で進められていますが、導入の遅れに関するニュースが最近目立ってきました。

デジタル庁を中心に、移行をしやすいよう支援を積極的に行ってはいますが、全国約1700という津々浦々の市町村などのシステムを期限内に一斉に移行するという巨大プロジェクトだけに、さまざまな課題が浮き彫りになっています。

省庁や自治体は長年にわたり独自のシステムを運用してきたため、異なる業務プロセスや独自の要件を持っています。その調整と移行に時間を要しています。
また個別開発してきた既存のオンプレミスのレガシーシステムをクラウドに移行する難易度も問題とされているようです。さらには、全国同時のシステム移行ということで、SEなどの技術者や、対応できる自治体職員といったIT 人材の不足なども起こっているとしています。

そのため移行期限に間に合わない「移行困難システム」も相当数出てきそうな勢いです。デジタル庁で行った調査によれば全体の約1割にあたる171自治体が期限までのシステム移行は困難と回答しています(2023年10月調査)。
そのため移行が難しいシステムについては、政府では翌年度以降の延期も容認するとしています。

※出典:デジタル庁「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化における移行困難システムの把握状況について(2024年3月5日掲載)」
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/c58162cb-92e5-4a43-9ad5-095b7c45100c/b7d2bc55/20240305_policies_local_governments_doc_01.pdf

ガバメントクラウドおよび自治体システム標準化は、私たちにとっても行政サービスを効率よく利用できることで、利便性も高まることが期待できるだけに、スムースな導入が望まれるところです。

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