TopNEWS & MEDIA5分でわかるトレンドワード 「IOWN」

5分でわかるトレンドワード 「IOWN」

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要約

●IOWNとは?
●IOWN構想の背景
●3つの技術要素
●OWNが目指す世界
●多様な参加企業
●日本政府も後押し
●最近のトピックス

IOWNとは?

IOWN(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)は、NTTが中心となって提唱している次世代通信ネットワーク構想です。「beyond Internet」「beyond 5G」をコンセプトに、光技術と無線技術を統合した情報通信インフラの革新的な進化を通じて、より高速かつ安定したデータ通信を実現することを目指しています。

IOWN構想の背景

IOWN構想の背景には、急速なデータ需要の増加と通信インフラの限界という、現在のインターネットが抱える課題があります。 IoT、5G、AIなどの先端技術の普及によりネットワークのトラフィックが飛躍的に増大するとともに、現行の通信ネットワークではこうしたデータの増大に対して限界を迎えつつあります。そのためより高速かつ安定した通信を実現するために、抜本的な技術革新が求められています。

3つの技術要素

IOWNの実現には3つの要素技術が必要とされています。

1)オールフォトニクス・ネットワーク
「オール光ネットワーク」とも呼ばれます。ネットワークから端末まで、すべてがフォトニクス(光)でつながる技術です。現在の電気信号を使った技術に比べて、低消費電力、高品質・大容量、低遅延の伝送が実現できます。チップ内の配線部分に光通信技術を導入し低消費電力化を行い、さらには光技術ならではの高速演算技術を組み込んだ、新しい光と電子が融合したチップを実現する「光電融合技術」を目標に掲げています。

2)デジタルツインコンピューティング
サイバー空間に現実の空間を再現する従来のデジタルツインをさらに発展させて、多様なデジタルツインを組み合わせることで、都市におけるヒトと自動車と天候など、これまで総合的に扱うことができなかった組合せを高精度に再現し、未来の予測が可能になります。

3)コグニティブ・ファウンデーション
クラウドやネットワークなどさまざまなICTリソースを最適に制御することで、必要な情報をネットワーク内に流通させる機能を指します。

IOWNが目指す世界

光信号のままで伝送・交換処理を行うオールフォトニクス・ネットワーク実現により、従来の通信ネットワークよりも高速かつ大容量のデータ通信が可能となります。また、より低遅延での通信や高いセキュリティレベルの確保も期待されています。具体的には「電力効率100倍」「伝送容量125倍」「エンド・ツー・エンドの遅延200分の1」という性能を目標にしています。

多様な参加企業

IOWN構想には、NTTをはじめとする通信関連企業や、光技術、無線技術の分野で活躍する企業が参加しています。これにより、幅広い専門知識と技術が結集され、IOWNの実現に向けた取り組みが進められています。2024年5月現在では100の企業や団体が加入しています。
出典 IOWN Global Forum

日本政府も後押し

日本政府もIOWN構想を重要視し、その推進を支援しています。経済産業省は2024年1月30日、IOWN」のプロジェクトに約450億円を支援すると発表し、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」を通じて、NTTIOWNの3プロジェクト「光チップレット実装技術」「光電融合インターフェイスメモリモジュール技術」「確定遅延コンピューティング基盤技術」をそれぞれ支援するとしています。通信インフラの革新は、国家戦略の一環として位置付けられ、政府との連携が進められています。政府の支援により、IOWN構想の実現に向けた研究開発や投資が促進されています。
出典:NHK NEWS WEB

最近のトピックス

IOWNの実現に向けて国内外で実証実験が進んでいます。IOWN 初の商用サービスとしてNTTコミュニケーションズからOWNをプラットフォームとした「APN(オールフォトニクス・ネットワーク)専用線プラン powered by IOWN」が2024年3月1日より提供されています。さらに、参加企業の連携強化や国際的な連携の拡大など、IOWN構想は実現に向けて進んでいます。

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