5分でわかるトレンドワード 「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」
要約
●名刺サイズのコンピュータ「ラズベリーパイ」●小さいけれど機能満載
●子供からプロまでが愛用するラズベリーパイ
●まとめ
名刺サイズのコンピュータ「ラズベリーパイ」
「Raspberry Pi(ラズベリーパイ)」。美味しそうな名前ですが、お菓子のことではありません。電子工作が趣味の方やエンジニアの方には既におなじみでしょう。子供の電子工作やプログラミング学習関連で、またはIoT分野でお聞きになったことがある方もいらっしゃるかと思います。
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、通称「ラズパイ」とも呼ばれます。本体は名刺サイズくらいの電子基板ですが、シングルボードコンピュータあるいはマイコンボードとも呼ばれるれっきとしたコンピュータの一種です。
まとめ:国内で※出典:Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/Raspberry_Piもパスキーの普及が進む
学校でのコンピュータ教育促進のための簡単なコンピュータとして、英国のラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)によって2012年に販売が開始されました。以来、コンピュータについての教育ツールとしての普及はもちろん、趣味の電子工作やプログラミング、さらには商品試作や実際の商品への組み込みまで用途は拡大していて、子供からプロまでが使える多目的なコンピュータとして世界中に普及しています。
小さいけれど機能満載
ラズベリーパイは名刺サイズあるいはそれ以下という非常に小さなボードですが、コンピュータの機能が高密度に構成されています。下記はベストセラーとなったPi 4の例ですが、メインのプロセッサとメモリー(RAM)に加えて、microSDカード、ディスプレイ、キーボードやマウス、イーサネット、電源などを接続することができるなど、コンピュータの機能が一式備わっています。モデルによって価格は異なりますが、ラズベリーパイは数千円~1万円ちょっとという非常に手頃な価格で入手できるので、教育機関や個人ユーザーといった層でも手軽にコンピュータプログラムの学習や電子工作を行うことができます。
※出典:Raspberry Foundation Webサイト
https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-4-model-b/
子供からプロまでが愛用するラズベリーパイ
このように機能が充実しており導入しやすいラズベリーパイは今日さまざまな用途に使われています。
例えば小学校から高校までプログラム学習の必修化が進むなか、ラズベリーパイはプログラム学習でよく使用されるPythonやScratchなどのプログラミング言語を習得するために使われます。ラズベリーパイを用いたプログラミング教材も多くリリースされています。
またラズベリーパイは外部機器制御の汎用ポートであるGPIOポートを備えているので、制作したプログラムを用いてLED、センサー、モータ・アクチュエータなどを制御することができます。LED点灯という初級のものから高度なロボットの制御まで、電子やメカ制御を学ぶために広く使われています。
世界中に広がるラズベリーパイのコミュニティも安心できる要素のひとつとなっています。フォーラムやWebサイトでのサポートやソフトウェアが充実しており、問題を解決できる環境が整っています。
もともと教育用に開発されたラズベリーパイですが、コストパフォーマンスや拡張性の優秀さなどから、近年は産業界でも製品の試作、完成品に組み込むなどに使われるようになってきました。 具体的には以下のような用途に使われています。
- 制御機器: ロボットなど機器や設備の制御機器
- ネットワーク・IT機器: サーバーなどネットワーク機器、センサーやカメラなどと接続したIoT、インターネット関連のアプリケーション
- メディア機器: 動画や写真の閲覧、音楽のストリーミング機器
- エンターテインメント機器: 小型携帯ゲーム機
まとめ
2012年に発売されたラズベリーパイは、10年後の2022年には全世界で累計4600万台の出荷を記録しています。ちなみに2013年に発売されたPlayStation 4が2022年時点で全世界1億1700万台ですので、これと比較しても相当な数が普及していることがお分かりいただけると思います。
ラズベリーパイは発売以来、新しいモデルやアップグレードが定期的に登場しています。2023年9月28日には最新モデルとして「Raspberry Pi 5」が発表されました。前モデルの「Raspberry Pi 4」と比べCPU性能は2~3倍となるなど、性能や拡張性がさらに向上しています。
また本格的な産業用途向けに、性能や耐久性などを高めた産業用ラズパイや代替ボードや機能拡張ボードなどもサードパーティーから発売されるなど、たいへんにぎやかな市場になっています。
コロナ禍では半導体不足の影響を受け、一時期ラズベリーパイが入手しづらい状況となっていましたが、現在では供給も価格も安定してきています。
今後もプログラミングやエレクトロニクスに興味を持つあらゆる人々にとって、アイデアを実現するためのプラットフォームとして愛用されていくことでしょう。
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