TopNEWS & MEDIA5分でわかるトレンドワード 「カーボンフットプリント(CFP)」

5分でわかるトレンドワード 「カーボンフットプリント(CFP)」

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要約

●カーボンフットプリントは温室効果ガスの排出量
●カーボンフットプリントが注目される背景
●サプライチェーン全体の排出量算定のポイントは「Scope3」
●サプライチェーン全体での算出の課題

カーボンフットプリントは温室効果ガスの排出量

近年カーボンフットプリント(CFP)という言葉を耳にする機会が増えています。カーボンフットプリント(CFP)はCarbon Footprint of Productsを略したもので、商品やサービスのライフサイクル全体――つまり原材料、製造、物量、消費、そして廃棄やリサイクルまでの全体のプロセスにおける温室効果ガス(Greenhouse Gas:GHG)の排出量をCO2の量に置き換えたものである、と今日では意味づけられています。簡単にいうと製品やサービスの生涯全体でどれだけの量のCO2を排出するのかを可視化したものです。

※出典 経済産業省「第1回 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会」資料より抜粋
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/001.html

カーボンフットプリントが注目される背景

カーボンフットプリントは、近年の脱炭素やカーボンニュートラルの要請の高まりを背景に、私たちの生活だけでなくあらゆる産業で重要性が増しています。では、なぜカーボンフットプリントが近年になって大きな話題になっているのでしょう。その背景には3つの大きな動きがあります。

①CO2排出量削減は世界共通の目標

2015年パリ協定で温室効果ガス削減に関して国際的な取り決めが合意されました。先進国では「2050年までにCO2排出量をゼロにする」ことが目標になっています。CO2の排出量と森林などによる吸収量を均衡させてプラスマイナスをゼロにする、いわゆるカーボンニュートラルの実現が先進国にとって明確な目標となりました。日本でも段階的な目標として2030年までにCO2排出量を46%削減することを目指すと宣言しています。

②ESG経営にカーボンフットプリントの可視化が必須に

近年「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(管理体制)」を重視した企業のESG経営が重要視されるようになってきました。それにともなって各企業の環境への取り組みが社会からより注視されています。例えば消費者が製品や企業のカーボンフットプリントに注目し、より低炭素な商品を選ぶように消費行動が変化しています。またESG投資などESG経営を尺度にした投資もさかんに行われるようになり、投資を決定する際に企業がどのように環境問題に取り組んでいるかを指針とするのも一般的になりつつあります。

③グローバルな法/規制への対応

欧米をはじめ世界各国でカーボンフットプリントを指標とした公共調達やグローバル調達が始まり、EU市場ではバッテリーのカーボンフットプリントの申告や上限値を定めたバッテリー規制が始まろうとしています。こうしたグローバルな動きに対応して、日本としても国際競争⼒の維持・強化のためにも、カーボンフットプリントの⾒える化・削減を急いでいます。

※出典 経済産業省「第1回 サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会」資料より抜粋
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/001.html

サプライチェーン全体のCO2排出量算定のポイントは「Scope3」

カーボンフットプリントの可視化においては、上記の資料の「サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルに向けたカーボンフットプリントの算定・検証等に関する検討会」という題名が示す通り、サプライチェーン全体におけるCO2排出量を重視しています。つまり商品やサービスを提供する企業単体のCO2排出量だけでなく、関連する取引先や消費者など広い範囲のCO2排出量をカバーする必要があります。
そこで上流から下流まで全体の温室効果ガス排出量の算定や報告のために「GHG(温室効果ガス)プロトコル)」という基準が設定されています。最近、カーボンフットプリントなどと関連して使われることが多い「Scope(スコープ)」という言葉は、このGHGプロトコルでの排出の分類を指します。 Scopeは以下のように分類されています。

  • Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
  • Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  • Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

サプライチェーン全体におけるCO2排出量は、このScope1、Scope2、Scope3の排出量の総量となります。

※出典:環境省「サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html

このなかでも特に重視されているのがサプライチェーンでのCO2排出量となるScope3です。
上流と下流をカバーするためその範囲は非常に広範であり上図の①から⑮の15項目に分類されています。
このように細かく分類し排出量を算定することで、商品やサービスのライフサイクルにおけるCO2排出量が把握できるほか、サプライチェーンの中での排出削減ポイントが明らかになる、また排出量の少ない商品やサービスを作り出し、競争力を向上させることができるなどのメリットがあるとされています。

サプライチェーン全体での算出の課題

可視化においては算出方法が重要ですが、日本では経済産業省と環境省が上流から下流までサプライチェーン全体のCO2排出量の算定・報告基準を設定しています。
Scope3の排出量算出を実際に行うにあたっては、サプライチェーン、つまり取引先などとの協力や連携が欠かせませんが、実際にはデータの取得や可視化の難しさが課題となっています。

•⼯場や拠点単位での排出量算出は従来から行われているものなので⽐較的容易とされていますが、製品単位での排出量把握は新しい手法であり、複雑で技術的に困難
•製品数が多い取引先に、製品ひとつひとつのデータを作成してもらう業務負担が⼤きく、協力をあおぎにくい
•中⼩企業など対応が難しい取引先が多い
•取引先ごとにシステムやデータ形式が異なるため、膨大な取引先データ集計の作業負担が大きい

などの多くの課題はまだ残されています。大手のクラウドベンダーやITベンダーから排出量の見える化ツールやソリューションが、また業種や業界に特化した共通プラットフォームなども登場して、業界全体での推進が行われています。

東証ではすでにプライム市場上場企業(約1840社)に対してScope3までの排出量開示が求められるようになっています。また金融庁では有価証券報告書を出す一般企業にも情報開示することを決めています。
製造業だけでなく、今まさに多くの企業がサプライチェーンCO2排出量の算定や削減に取り組んでおり、環境省のWebサイトでは国内外企業における、算定の課題、算定目的、算定方法、活用方法などの取り組みが紹介されています。

環境省 サプライチェーン排出量算定事例
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/case_smpl.html#santei

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